旅のご予約|栃木県

2018.7.25

【栃木 旅行記】約半世紀の時を経て語り継がれるSL「大樹」で秘湯の町へ

【栃木 旅行記】約半世紀の時を経て語り継がれるSL「大樹」で秘湯の町へ
2017年(平成29年)8月、約半世紀ぶりに東武鉄道においてSLが復活した。蒸気機関車 C11-207号機と、青い車体に白いラインが入った14系客車、鮮やかな朱色のディーゼル機関車 DE10-1099号機の組み合わせで、栃木県・日光市・東武鬼怒川線「下今市(しもいまいち)駅~鬼怒川温泉駅」12.4kmの間(片道約35分)を土休日を中心に1日3往復しています。今回はSL「大樹」の旅を楽しみながら、奥鬼怒川温泉郷の秘湯へと向かいます。(写真:SL「大樹」)

このページをシェアする

「カニ目」の前照灯が特徴の歴史ある車両

SL「大樹」:蒸気機関車・C11-207号機・車両

かつては全国各地を力強い汽笛とともに黒煙を吐きながら走っていた蒸気機関車。東武鉄道でも鬼怒川線新高徳駅と国鉄東北本線矢板駅を結んでいた東武矢板線が、1959年(昭和34年)を最後に任務を完了。あれから約半世紀の時を経て、鉄道産業文化遺産の保存と活用、日光・鬼怒川エリアの活性化という願いを込めてSL「大樹」として復活しました。

SL「大樹」:蒸気機関車・C11-207号機の「カニ目」の前照灯

SL「大樹」はJR北海道で走行していた「C11形207号機」。その歴史は古く、太平洋戦争が始まった1941年(昭和16年)から、北海道の大地を走り抜き活躍していた蒸気機関車です。特徴は先頭部にある2つの前照灯。鉄道ファンからは「カニ目」の愛称で親しまれています。

SL「大樹」:ヘッドマーク

SL「大樹」の顔となるヘッドマークは、C11形らしく3つの「動輪」を表現し、一方で徳川将軍の家紋「三つ葉葵」をイメージさせるデザイン。描かれている「大樹」の文字は書道家・涼風花(りょうふうか)氏が担当。SL「大樹」が走る、日光・鬼怒川温泉・今市の3つのエリアが互いに連動し、地域の回遊性が向上してほしいという想いも込められています。

SL「大樹」:運転室

運転室には機関士1人と機関助士らが2人。ディーゼル機関車の機関士が1人、客車に乗っている車掌が1人。そしてSLなどの点検や入換を行う車両係が2人乗車し、SL「大樹」の運行を司ります。石炭を火室(かしつ)に投げ込む運転室はとても暑く、火室の温度は約1,000~1,500度。真夏の運転室は気温50~60度の暑さに見舞われます。

SL「大樹」:最後部車両・ディーゼル機関車 DE10-1099号機

ディーゼル機関車DE10-1099号機は、JR東日本から譲渡されたもの。SL「大樹」編成の末尾に連結されていて、終着駅での客車の入れ替えなどで活躍する重要な役目も担っています。

SL「大樹」:客車(14系車両)

青い車体に白いラインが入った客車は、旧国鉄時代(昭和40~50年)に製造された14系車両。JR四国から譲り受け、座席やカーテンなどは製造当時を再現しています。

SL「大樹」:客車(14系車両)・車内

昭和レトロな雰囲気が漂う座席は車体と同じブルーで統一されています。窓の下の小さなテーブルも当時を偲べるサイズのまま。国鉄時代はテーブルの下に灰皿が取り付けられていましたが、現在は撤去。その跡が残っているのもまた鉄道ファンには堪らないポイントです。

車内販売はSL列車の旅ならではの名物揃い

車内販売・SL「大樹」の黒いアイスとオリジナルフォトサービス

SL「大樹」のプレートを持ち記念撮影してくれるサービスは、SL「大樹」オリジナルフォトフレームに入れて販売されています。素敵な思い出の写真を残してみてはいかがでしょうか。また乗車の際に配布される<SL「大樹」3D記念乗車証>。実は乗車車両により、記念乗車証が異なるので、どんな絵柄かは乗車してからのお楽しみ。記念乗車証を複数集めるとSL「大樹」のオリジナルグッズがプレゼントされるため、リピーターが多いのも頷けます。車内販売で食べておきたいのが3種類の味がある”黒いアイス”。どれもSLらしく色は黒なのに、いちごやバニラ、ごま味を楽しめる不思議なアイスです。

車内販売・SL石炭あられ

「SL石炭あられ」は、蒸気機関車に使用される石炭をイメージした真っ黒なあられ。間近で見ても石炭にしか見えないクオリティーの高さに感心させられます。食してみると、やや硬めで塩気が効いていて香ばしく、後を引く美味しさです。

転車台広場では圧巻のパフォーマンスを体感

下今市駅の転車台

SL「大樹」を運転するに向けて、準備されたのは蒸気機関車などの車両だけではありません。SL「大樹」の起終点の駅、東武鬼怒川線 下今市駅と鬼怒川温泉駅には、JR西日本から譲り受けた転車台が設けられています。下今市駅の転車台は山口県長門市駅、鬼怒温泉駅の転車台は広島県三次(みよし)駅から移設し整備されたもの。SL列車の復活を全国が応援してくれました。

鬼怒川温泉駅の転車台

方向転換する蒸気機関車が見られる転車台広場。運転終了後、次の運行のためにSL「大樹」を間近で見ることがきます。

鬼怒川温泉駅の転車台

転車の途中に一旦停車し、力強く汽笛を鳴らしたり、蒸気を発したりするパフォーマンスは圧巻の光景です。

鬼怒川温泉駅の転車台

約35分間の乗車では、蒸気機関車こその振動や汽笛を体感しながらの旅を満喫できます。間近で見るSL「大樹」の迫力ある雄姿は、冬の陽射しに煌めき、誇らしげに見えます。
※転車台SL入線時刻の変更や、車両の都合により運休の場合があります。

下今市駅全体をSL博物館の趣にリニューアル

下今市駅・駅舎

SL「大樹」復活にともない、下今市駅はかつて蒸気機関車が走っていた昭和初期を彷彿とさせる、昭和レトロな駅舎にリニューアル。改札に隣接する待合室には、昭和時代のポスターや写真が展示され、看板も旧字を使用。旅情漂う駅舎として評判を集めています。

下今市駅・SL展示館

下今市駅構内にあるSL展示館は、日光・鬼怒川温泉エリアをモデルとした鉄道模型のジオラマを中心に展示されています。蒸気機関車の仕組みについての解説もあり、随所にSL「大樹」の魅力を感じながら知識を深めることができます。

下今市駅・SL展示館(1階 休憩スペース)

SL展示館の1階にある休憩スペースの駅側には大きな窓を設置。これにより駅に停車中のSL「大樹」を間近で、ゆっくり眺められる仕組みになっています。中でも屋外テラスは、行き交う列車を一望できる人気のスポット。

※SL展示館:開館時間
・SL運転日:8:00~19:00
・SL運転日以外:10:00~16:30
※入館無料。但し、乗車券または下今市駅入場券が必要。
※展示品の入替、および機器保守等により臨時休館となる場合があります。

下今市駅構内の広場に隣接する機関庫(車庫)

下今市駅構内には、SL「大樹」の日常点検等を行う下今市SL機関庫を新設。建物の側面がガラス張りになっている見学エリアでは整備光景が眺められ、鉄道・SLファンなどの多くの人たちの癒しスポットでもあります。蒸気機関車は一度火を入れたら夜間も火を燃やし続けなくてはならない仕組み。そのためここではボイラー圧力を見て石炭の燃え具合を確認しながら、24時間体制で蒸気機関車の調整・準備を行っています。

スコップ型スプーンで機関士気分の「SL大樹 日光埋蔵金弁当」

「SL大樹 日光埋蔵金弁当」

「SL大樹 日光埋蔵金弁当」は、オリジナル石炭シャベル型ランチスプーンが付いた名物弁当。一段目には、栃木産コシヒカリの「特製ちらし寿司」。その上には、たっぷりと錦糸卵が。さらにその上に乗る「埋蔵金」の卵焼きは、「SLの石炭シャベルで掘り当てる」という楽しい遊び心があり、夢のある駅弁に仕上がっています。

※「SL大樹 日光埋蔵金弁当」は、東武線の駅売店「ACCESS」の東武日光駅・下今市駅、鬼怒川温泉駅の売店で販売されています。

鬼怒川温泉駅に隣接する「BENTO CAFE KODAMA」

鬼怒川温泉駅に隣接する「BENTO CAFE KODAMA」は、全面ガラス張りの窓からSL「大樹」が転車台で360度回転する姿を眺めることができる、絶好のロケーションが魅力。乗車待ちにゆっくり一息できるカフェとして、旅人で賑わっています。カフェメニューの他に駅弁も販売していて、イートインも可能です。

※BENTO CAFE KODAMA
・営業時間:9:00~17:00
・不定休
・URL:http://bentocafekodama.favy.jp/

SL「大樹」の雄姿をおさめる、絶好スポット

東武鬼怒川線沿線・撮影スポット「砥川橋梁」

「砥川橋梁(とがわきょうりょう)」は、東武鬼怒川線「新高徳駅~大桑駅」の間にあり、新高徳駅から徒歩約15分で行けます。この区間は曲線の勾配で、砥川橋梁の辺りが登り坂となるため、蒸気機関車の馬力が一段と上がる場所。そのためもっとも力強く立ち昇る煙と蒸気が出る場所で、SL「大樹」の雄々しさが撮れる人気のスポットでもあります。
SL「大樹」の車窓から流れる美しい自然やゆったりとした風景と共に過ごすひと時は、心癒やされる時間。昭和レトロなノスタルジーを感じさせられるSL「大樹」の旅は、どこか懐かしく、温かくて優しい気持ちになれる蒸気機関車の旅。そんな旅情を感じる旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

幻想的な秘境に佇む秘湯の宿「加仁湯(かにゆ)」

奥鬼怒温泉・「加仁湯」 雪景色

SL「大樹」の終着駅「鬼怒川温泉駅」に着いたら、是非訪れたいのが奥鬼怒川温泉にある秘湯の宿。関東最後の秘境といわれ、日光国立公園内に位置する「加仁湯」の宿は、奥鬼怒温泉郷(加仁湯・八丁の湯・日光澤・手白沢)奥鬼怒4湯のひとつでもあります。

※この地区は自然保護の為、女夫渕(めおとぶち)温泉の市営駐車場から、宿のあるエリアは自家用車が入れないので注意が必要。

奥鬼怒温泉・「加仁湯」・外観 (冬)

日光市営バスで片道約90分の終点、女夫渕市営駐車場まで着いたら、ここからは予約した宿の送迎バスに乗り換え。マイカーで出掛けた場合もこの先は立ち入れないので駐車場に留めておくしかありません。まさに秘湯、と感嘆しつつ送迎バスで30分進めば秘湯の宿「加仁湯」に到着。野趣あふれるにごり湯で知られる山奥の宿です。

奥鬼怒温泉・「加仁湯」・混浴風呂の入り口

「加仁湯」は泉質の異なる5本の源泉を持つ(4本がにごり湯・1本が透明)源泉掛け流しの天然温泉。加湯や加水は一切していないため、湯温は48度と高めです。それだけに温泉の効能を肌で感じ、泉質の違いを実感できます。

※硫黄泉 ナトリウム・塩化物・炭酸水素塩温泉(硫化水素型)

奥鬼怒温泉・「加仁湯」・露天風呂 (冬)

「加仁湯」では雪景色を楽しめる露天風呂がおすすめ。四季折々の大自然と、満天の星空を眺めながらの入浴は疲れを心地よくほぐしてくれます。この時期は雪がしんしんと降り、月夜にキラキラと光る雪景色は秘湯ならでは。乳白色の湯は、その日の気温や天候で色を変えるので、そこも楽しみのひとつです。

SL「大樹」座席指定券の購入方法

■座席指定料金:
・大人 750円・小児 380円(税込)
※運転区間内一律料金となります。
※別途、乗車区間の運賃が必要です。

■発売開始日:
・乗車日の1ヶ月前から発売いたします。
※各駅では乗車日の1か月前の午前9時から発売いたします。
※ご乗車にはSL座席指定券の他にご乗車区間の運賃が必要となります。

■発売箇所:
・インターネット予約
・電話での予約
・東武線各駅(押上・寄居・越生駅および駅員無配置駅は除く)
・旅行代理店
・東武トップツアーズ各支店
・主要旅行会社などでご購入いただけます。

※本ページの内容は、取材時点の情報を元に作成しています。運行ダイヤや車内サービスなどは季節などにより異なりますので、東武鉄道「SL大樹」の公式サイトでご確認ください。
ライター:井田 久恵
取材・撮影:トラベルバリュー 編集部
取材時期:2017年12月上旬
取材協力:東武鉄道・加仁湯
66 件

このページをシェアする

presentトラベルバリュー・プレゼント

青森県十和田市のブルワリーから『奥入瀬ビール』をプレゼント

奥入瀬ビールは、選び抜かれた麦芽とホップを奥入瀬の源流水で仕込み、本場チェコに学んだ技術で醸造されたこだわりの地ビールです。大人時間を彩る旅の情報サイト「トラベルバリュー」では、「奥入瀬ビール10本セット」プレゼントのご紹介をしています。
プレゼントに応募する 応募には会員登録が必要です。

トラベルバリュー国内ツアー検索

国内ツアー検索ならトラベルバリュー

トラベルバリュー国内ツアー検索では、北海道から沖縄まで全国各地の格安国内ツアーを最安値からテーマ・目的別で検索・比較可能。人気の日帰りバスツアーや、航空券パック、列車+ホテルパックなど、あなた好みの国内ツアーを条件を指定して検索することが出来ます。
国内ツアー検索を見る

メニューから記事を見る